Betta ベタの鱗の色の遺伝学を学んだ。

8/04/2021

study: Betta

 

ベタの色の遺伝学について学ぶ::

遺伝学が最も進んでいると思われるタイの闘魚ベタの模様について学んだ。

Betta source というところが出している「The basics of Betta fish color genetics」だ。 (retired) geneticist =吾輩から見て遺伝学の用語が「不正確」と思しきところ少々。それを吾輩なりに訂正して解釈して覚え書く。

1- 色素は 4 層からなる。 順に、i-Iridescent, ii-black, iii-red, iv-yellow, 層だ。

2- Iridescent layer (日本語だと虹色細胞層とでも。) 元々グアニン由来成分なので、guanophore, グアノフォアとも言う。

3 つの関与遺伝子が知られる。 blue/green, spread iridescent, そして non-blue, の 3 つ。

半優性遺伝子、Bl, 多分こっちが野生型。 Bl / Bl green 表現型、 Bl / bl royal blue 表現型、=中間。 bl / bl steel blue 表現型。

S(pread)i(ridescent)= Si 変異遺伝子。半優性遺伝子らしくその対立野生遺伝子をsi とすると、 Si / Si のみ、turquoise blue 発色になると。 Si / si は、中途半端なturquoise 的。 si / si が野生型遺伝子型で、ターコイズにならない色=グリーン、ロイヤルブルー、金属ブルー、など。

non-blue, nb は劣性遺伝子らしく、ホモ接合体nb / nb のみ青系統の色が出ない個体になる。

3- black layer (日本語だと、黒細胞胞層と。) 野生型の黒に対し、3 つの遺伝子変異が知られる。 cambodian, blonde/bright, melano だ。

cambodian, c 遺伝子は、劣性変異遺伝子と。

c / c の接合体のみ、カンボジア表現型(クリーム色体色で、ヒレのみ赤い)になる。

「いわゆるカンボジア品種は、これ以外の突然変異遺伝子もあるようだと。」

blonde/bright, b 遺伝子は、劣性遺伝子変異。

b / b ホモ接合体は、赤くなる。(マルーン色とも。メラニン色素胞がなくなるので、iridescent=もっと虹色細胞胞がはっきり、になる。あるいはもっと「パステル調」になるということも。)

melano 遺伝子は野生型より黒い色素が増える(=結果としてもっと黒くなる)半優性変異。

m / m ホモ接合体は、野生型より、もっと黒くなる。 メスのm / m ホモ接合体=black betta, female は有精卵を産まない、ことが知られる。(卵を産まないか、産んでも無精卵。)

メスでは、m / +(=M でもいい)のヘテロ接合体が「black lace=ブラックレース」として、繁殖に使われる。

4- 赤い層。erythrophore, エリスロフォアと言う色素胞。 4 つ変異が知られ、extended red, reduced (red), non-red, variegated だ。

extended red, 体全体が「whole とか solid red, 無垢の赤」になる。

R / r は中間的表現型。だから、r が野生型で、R 変異遺伝子は半優性だ。

reduced はヒレのみ赤が残ると。詳細は不明。

non-red, nr は劣性遺伝子。 nr / nr ホモ接合体では、赤みが消え、黄色くなると。

variegated 遺伝子 Vf はいわゆる「butterfly バタフライ、蝶」表現型の原因遺伝子。 とくに尾びれが尾筒から真ん中あたりまで赤く発色し、先端は赤くなく色がなく白〜透明。

5-bottom layer yellow layer, 黄色い層。xanthophore (キサントフォア) という色素胞。

ベタでは、よく知られていない。 wild type, 野生型発色では、この層は発色に関与していないらしいと言われる。

「opaque」と言う「オパール色、光沢なく濁った白いような卵色」のベタの変異がある。 この原因遺伝子は、このxanthophore 関連ではないかと言う説もある。

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