ソメワケササクレヤモリ:事始め。

9/14/2020

ソメワケササクレヤモリ

日本で全ゲノムが解読されたヤモリ;ソメワケササクレヤモリを愛育しています。


ソメワケササクレヤモリ (学名:  Paroedura picta)は、

日本の理研神戸センターのグループにより、全ゲノム解析がなされた日本が誇る画期的なヤモリである。

2018年に出版されたこの論文を少し学習してみることにする。


BMC Biology 16: 40 (2018)

title: Madagascar ground gecko genome analysis characterizes asymmetric fates of duplicated genes. 

by Y. Hara, M. Takeuchi, Y. Kageyama, K. Tatsumi,ss M. Hibi, H. Kiyonari and S. Kuraku.


1-ゲノムの長さは、1.69Gbpと。(G=10の9乗)

75倍に相当する長さの配列を解析したそうだ。それだけやっても100%配列が繋がることはないし、染色体数がわかるほどのつながりも未だ。ゲノムの大きさから考えて、90%以上の配列は解析されたと考えているそうだ。(X75の配列解析しても・・・はーーー。)


ちなみに、ヒトは3.0Gbp(30億bpとも)

最小ゲノムの種子植物と知られるシロイヌナズナは、0.13Gbp(1.3x10の8乗)だ。

(ところが、繋がっていないので、染色体数は、不明。

ちなみに、ヒョウモントカゲモドキ は、2n=38と言われる。

ちなみに、GreenAnoleでは、n=18と言われている。)


2-GC 率は、44.8%,

重複配列が、37.3%に相当。

現在までに、タンパク質を作る遺伝子が、27039個同定された。


3-同じく配列が解析されているGreenAnoleとの比較。

13034タンパク質遺伝子が機能的相同(=ortholog).


4-グリーンアノールは、昼行性。

ソメワケササクレヤモリは、夜行性。

その差を調べて、1545遺伝子が昼・夜行性に関連する遺伝子と推定。

光下で必要なロドプシンがなかったりとか。

また「壁ちょろ性」につき、toepad(足指の膨らみ部)のベータケラチン遺伝子に差があるそうだ。

----

ソメワケササクレヤモリはメスが栄養十分なら10日おきに2個ずつ産卵することもある。さらに卵殻が硬いので外科的操作が可能で、主に発生学研究の材料として使われている。

したがって、今回の全ゲノム解析は、発生学研究の進展に寄与することが期待されている。

----

飼育繁殖のfancierにとり、

xanthic,

tyrosinase plus albino,

caramel,

などのmorphの遺伝子レベルの違い・変異が解析される日を期待したいところです。

---- 

ちなみにソメワケササクレヤモリは、たくさんの英名を持つことも知られる。挙げてみる。

いろいろおもしろがって使うこともある。


 Panther Gecko


 Ocelot gecko


 Madagascar Ground Gecko


 Painted Ground Gecko


 Malagasy Fat-Tailed Gecko


 はたまた・・・・・


 Big Head Gecko

この程度か。

-----

----- 

広告>