study;; Mendel の法則について。

3/24/2020

study

 いきものの基本原理となる法則を軽く紹介しておきたい。


1866年、エンドウを使ったかけ合わせ実験で発見された。(ことになっている。しかし、メン デルは、実験開始前に法則の骨子となる「作業仮説」を持って実験結果 を解釈したことは統計学者の推定などによって既にかなり確実となっている。当初は無視された後、やっと1900年、プロ{大学に勤める}の遺伝学者により 再発見された。)
基本原理は、形質の遺伝は粒子状の遺伝因子により決定され、これらの因子は対になっていて、配偶子(=精子と卵子)形成時には分離し、どちらか一方のみが次世代に伝えられると言うこと。この遺伝因子は、染色体(chromosome,クロモソーム)に存在し、遺伝子 (gene)と呼ばれる。遺伝子の存在する染色体上の位置を遺伝子座(locus)という 。各遺伝子座における遺伝子構成は遺伝子型(genotype)と呼ばれ、遺伝子型に基づいて発現した形質を表現型(phenotype)と言う。これらの用語から規定としてのメンデルの法則は、生物界の真核生物2倍体に適用される法則だということがわかる。
優性・ 劣性の法則:まず純系の個体を用意する。豹紋柄を持った、野生型ヒョウモントカゲモドキを、リューシスティック(leucistic)・ヒョウモントカゲモドキと交配すると、その雑 種第一代(通常ラテン語の娘filia のFを借りて、F1で表す)は、豹紋柄を持った個体が産まれる。このように対立形質を持った個体を交雑したとき、F1には一方の形質 のみが現れる。この F1に現れる形 質を優性(dominant)といい、現れない方を劣性recessiveという。===この時点では、dominantには、日本語の優 (すぐ)れているという意味はないので注意。劣も(おと)るの意味は、元々はない。dominant の正確な和訳は「顕われる」だろうから、顕性という言い方もある。====
分離の 法則:F1個体同士を交配して雑種第2代(F2)を作ると、F2にはF1で出現しなかった劣性形質が再び現われる。F2では、優性形質:劣性形質 が、統計的に3:1の比で分離する。
独立の 法則:2 対以上の対立形質が存在するとき、各対の対立遺伝子が他の対とは独立に遺伝するということである。その意味は、それぞれが、 別の染色体上に存在する対立遺伝子であるということである。—同じ染色体に存在する遺伝子座ってけっこうあるから、欧米では、「独立の法 則」って、ほとんど、教えられないらしい。
Mendelのもともとの交配実験をひもといてみる。ブルーノで入手できるエンドウを使っている。1- seed color 黄色と緑色の種子。2-seed shape 丸い種子と皺のある種子。3-pod color 黄色と緑色の莢。4-stem length (茎の長さ即ち)背丈の高低。5-pod shape 莢が膨らむか、平たいか。6-flower color 花の色が紫色か白色か。7-flower position on stem 花が茎のどこに付くか、頂端か茎全体か。以上7セットの実験。これらは実に別々の染色体上の遺伝形質である。すなわち独立の法則がなりたつ。されにこの品種のエンドウは染色体数が7対で2倍体=14本の染色体を持つことが後に知られた。このあたりからもいい意味の予断のある実験だと推定される。 (あるいはかなり予備実験をしたのだろう・・・・と。)

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